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就労ビザ・比較表

  H-1B L-1A L-1B E-1/E-2
初回滞在期間(I-94) 3年 3年* 2年
更新 3年 最長6年** 2年毎 最長7年 2年 最長5年 2年毎 無期限
必須学歴 学士号 なし なし
職歴 学士号がない場合同等の実務経験 重役・管理職 特殊知識・技術 重役・管理職 -or-
特殊知識・技術
最低給与額 ある なし なし
スポンサー企業 米企業 米国外に関連会社がある米企業 50%以上を日本人が所有する米企業
年間発給数 65,000件 なし なし
申請方法 米国移民局 米国移民局 米国大使館 -or-
米国移民局
配偶者の就労 不可 可能 可能


* 新規設立の企業の場合は1年
**労働認定証(レイバー・サティフィケーション)申請、または移民ビザ申請を開始してからすでに365日以上経過している場合に限り、 6年以降のステータス延長が1年ずつ可能。ただし、移民ビザが認可されている場合は、6年目以降のステータス延長が3年ずつ可能。

米国3大就労ビザであるH-1B・L・Eについて、以下に実例を挙げながら、それぞれの利点・欠点を指摘、比較します。 申請者の状況によっては、どれか1つにしか該当しない場合もあれば、全てのビザに該当する場合もあります。 後者の場合、それぞれのビザの違いを知ることによって、個人の具体的な状況に最も見合ったビザを選択することができます。


滞在期間:

H-1Bビザの滞在期間は通算6年、L-1Aビザは7年、L-1Bビザは5年です。したがって、H-1B、あるいはLビザを選択した労働者は、滞在期間が満期に到達する前に、 それ以降の滞在方法について考える必要があります。Eビザは、滞在期間に制限がなく、申請基準を満たしていれば無制限に延長が可能です。

例1: M社のマネージャーを過去7年間勤めたA氏は、L-1Aビザの最長滞在期間に到達したため、L-1Aビザを更新することができない。 しかしながら、米国外に1年間滞在し、再度L-1Aビザを申請することが可能。Eビザに変更する、あるいは永住権へ切り替えることも一案。

例2: 日本国籍のD氏は、X社のマーケティング・スペシャリストとしてH-1Bビザで過去5年3ヶ月間就労し、Y社にマーケティング・マネージャーとして転職を希望している。 Y社は100%米国籍者が所有し、D氏は、労働認定証申請(雇用に基づく永住権申請の第1ステップ)をまだ開始していない。 この場合、Y社とD氏の国籍が異なるため、Eビザは申請不可能。過去3年間のうち、1年間米国外のY社の関連企業で就労経験がないため、Lビザも申請不可能。 最低給与額に問題がなければ、H-1Bビザは申請可能。ただし、H-1Bビザが満期に達する365日以上前に労働許可を申請していないため、Y社で働けるのは9ヶ月間のみ。 その後は、1年間米国外に滞在し、再度H-1Bビザを申請することができる。


給与額・年間発給数:

LやEビザには、H-1Bビザのように最低給与額の保証や年間発給数に関する規定がありません。ただし、LやEビザ保持者は、管理職か重役職に就いている、 あるいは企業の運営に必要不可欠な専門知識・技術を持っていることが前提であるため、常識をはるかに下回る額では申請の信用性に欠けると言えるでしょう。


配偶者の就労許可:

EとLビザ保持者の配偶者は、移民局より就労許可証を取得することによって、米国での就労が認められていますが、H-1Bビザ保持者の配偶者の就労は認められていません。 しかし、H-1Bビザ保持者の配偶者が申請基準を満たすことができれば、単独でH-1Bまたは他の就労ビザを取得することは可能です。


申請方法:

H-1BとLビザは、米国の移民局で最初申請しなければなりませんが、Eビザは在日米国大使館・領事館で直接申請することができます。


雇用経験:

L-1ビザは、申請前3年間のうち最低1年間、米国外の関連会社での就労経験が必要ですが、H-1BやEビザには、このような規定はありません。

例3: 100%日本国籍者が所有し、日本に本社のあるM社は、米国に子会社を持っている。日本国籍であるA氏は、米国X大学でマーケティングの修士号を取得後、 M社の本社でマネージャーを過去2年間勤めた。A氏が米国にあるM社の子会社にマネージャーとして駐在する場合、L-1A、E、H-1B (最低給与額に問題がないと仮定する) の全てに該当する。

例4:日本国籍者であるB氏は英文学で学士号を取得した後、M社のプロダクト・スペシャリストとして日本の本社で過去2年間勤めた。B氏が米国の子会社にプロダクト・スペシャリストとして駐在する場合、 E あるいはLビザの申請が可能。しかし、B氏の学士号と職務内容に関連性がない、また、実務経験も3年間に達しないため、H-1Bビザは申請不可能。

例5:C氏は米国Y大学経済学部において学士号を取得し、OPTを経て、M社の市場調査アナリストとして内定を得た。実務経験が一切ないC氏でも、学士号を持っているので最低給与額に問題がなければ、H-1Bビザを申請することができる。 しかし、米国外の関連会社で就労経験がないので、Lビザは申請不可能。Eビザ申請の場合は、重役・管理職に就く、あるいはスポンサー企業の運営に必要不可欠な専門的知識・技術を持っていることを証明する必要があるため、経験がOPTでのみの場合、一般的な申請ではない。


永住権申請:

H-1BビザとL-1ビザ保持者は、同時に非移民と移民の意思 (Dual Intent) を持つことが許されています。従って、H-1BやL-1ビザを保持しながら、永住権を申請しても問題が生じることはありません。 しかしながら、Eビザ保持者がDual Intentを持つことに関しては、法律上、明確に定められていません。したがって、Eビザ保持者が永住権を申請する場合、Eビザ保持用件との矛盾が生じることのないように対策を考えなければなりません。

なお、L-1Aビザの申請基準を満たしている申請者は、国際企業の重役、または管理職者として永住権を申請することができます。 また、これらの申請者は、雇用を通して行う永住権申請の第1ステップである労働認定証申請をスキップすることができるため、上記の例3で、A氏が将来的に永住権取得を考えているのであれば、L-1Aビザを申請するとよいでしょう。


スポンサー企業:

H-1Bビザのスポンサーは在米企業であること、Lビザは在米企業と米国外企業が関連企業であること、Eビザは、少なくとも企業の50%以上を申請者と同じ条約国の市民が所有していることが申請条件になっています。

例6: 100%日本国籍者が所有するO社は、コンピュータ・コンサルティング業務に携わる会社で、日本に本社、米国に子会社がある。コンピュータ・サイエンスで学士号を取得したD氏は、O社の子会社からソフトウェア・エンジニアとして内定を得た。 D氏は日本国籍で、D氏の配偶者は韓国籍である。

D氏は、学士号を取得しているのでH-1Bを申請することができる。また、日本国籍であるため、Eビザも申請可能。Eビザの場合、重要となるのは、メインの申請者であるD氏の国籍で、D氏の扶養家族として申請する配偶者の国籍は関係ない。 D氏は、本社での就労経験がないので、Lビザの申請は不可能。